柑橘系の果物は危険?酸性の食品は虫歯になりやすいってホント?!
虫歯は、酸によって歯が溶けることにより起こる病気ですが、酸性の食品によって歯が溶けるから虫歯になる、という訳ではありません。今回は虫歯と酸蝕症についてご紹介いたします。虫歯と酸蝕症、どちらも“酸”によって歯が溶ける病気ですが、発症する原因が大きく異なります。虫歯と酸蝕症はどのように違うのか、また、虫歯や酸蝕症にならないようにするためには何に気を付ければ良いのかをそれぞれ知ることで未然に防ぐことが出来ます。
虫歯のメカニズム
口の中には常在菌といって何百種類もの細菌がいます。その細菌が食べ物の残りカスを餌としてプラークを形成します。プラークとは細菌の塊で、食後8~24時間で歯の表面に付着します。プラークの中に虫歯の原因菌が住み着き、食べ物に含まれる糖分を餌として繁殖し酸を出すことで歯を溶かします。虫歯はプラークが長期間放置されることによって起こる病気です。
虫歯と酸蝕症の違い
虫歯は歯科用語で「齲蝕」と言います。酸蝕症と齲蝕どちらも“蝕”と表記されるため混合して考えてしまう人もいます、酸蝕症と虫歯の大きな違いはプラークの有無です。酸蝕症の原因は酸性の食品を多く摂ることや胃酸などによって歯が溶けてしまう病気ですからプラークは関係ありません。多少酸性食品を摂っただけでは酸蝕症にはなりませんが、摂食障害や頻繁に酸性食品を摂ると酸蝕症になってしまいます。
虫歯と酸蝕症の共通点
口の中は通常、中性の状態で保たれていますが、食事を摂ると酸性に傾き歯の表面を溶かす脱灰が始まります。しかし唾液によって口の中は中性に戻り、歯の表面を修復する再石灰が始まります。ところが、このバランスが崩れると虫歯や酸蝕症が起こってしまうのです。酸蝕症と虫歯どちらも口の中が酸性に傾いている時間が、通常時と比べると長いです。間食を摂ると口の中が酸性に傾く時間がその分長くなるので十分気をつけましょう。
虫歯と酸蝕症、どちらも治療が必要
いかがでしょうか?虫歯は歯磨きが十分に行えていないこと、酸蝕症は酸性食品を頻繁に摂ることが原因です。違いを見分けることで生活習慣において何に気をつけなくてはならないかが分かりますね。虫歯は歯が細菌に侵されることで一部が黄褐色に見えます。酸蝕症は歯の最表層であるエナメル質が溶けて、下にある象牙質が露出し全体的に黄褐色に見えます。これらの症状を発見次第すぐに歯医者さんへ行き治療を受ける必要があります。